令和6年の年頭にあたって(2023.1.4朝会から)
今年の年頭は、IOU(アイ・オウ・ユー)という話をしました。
「IOUとは、「借用証書」のことで、その語源は I owe you.(私はあなたに借りがある)からです。
銀行は借用証書(金銭消費貸借契約書)と引き換えに借り手に銀行預金を創造(貨幣発行)します。
つまり、銀行は借用証書という債権を得て、借り手は借入金という債務を負います。(銀行は銀行預金という負債を負い、借り手は銀行預金という資産を得ると言い換えても同じです。)
借り手が返済すると貨幣は消えます。つまり、借り手は当然に所得(で貯めた銀行預金)の中から返済しますので、この世から銀行預金という資産=貨幣が消えることになります。
万一、借り手である個人や企業が返済不能になると、最悪の場合、借り手は破産(倒産)することになりますので、借入金は一般的に返済しなければなりません。
逆に言うと、借り手の返済能力に問題がなければ銀行はいくらでもIOU(借用証書)と引き換えに預金=貨幣を創造することができます。
となると、貨幣の発行者である政府は返済能力に問題があるはずもなく、それこそいくらでもIOU(借用証書=国庫債券(国債))を発行して、日銀当座預金を通じて貨幣発行ができることになります。
ところが、今、政府は財政黒字化を目指し、緊縮財政によって国民に渡す貨幣の量を減らし、それどころか徴税によって国民から奪った(ま、言葉が過激なので「回収した」くらいにしておきましょうか)貨幣でIOUを帳消しにしようとしています。つまり貨幣を消しているのです。
と、ここまでの前置きは皆さん(注:当社の社員のこと)は耳タコでしょう。
次に字義どおりに「私はあなたに借りがある」というIOUの話をします。
貨幣の話だけではなく、この世の中は「借り」と「貸し」の繰り返し。
私たちはお客様に借りがあり、会社は社員に借りがあり、部下は上司に借りがある。
その逆も真。
(大きな声で言うと顰蹙ものかもしれませんが)お客様だって私たちがいなくては困るし、社員は会社がなくなったら路頭に迷うこともあるし、上司は部下がいなければそれこそ何もできない。
だから、私たちは常にIOU(私はあなたに借りがある)を忘れてはいけないと思います。
一昨年の当社50周年の際に、所詮は「運」、巡り合えた「縁」、いただいた「恩」という3つの言葉を大切にしたいと話しましたが、改めてその思いを強くしたのがこのIOUという略語でした。
そう思えば自分以外を妬んだり、貶めたり、怒ったり、非難したりすることの虚しさに気づくのではないでしょうか。
今年は、IOUを常に考える年にしましょう。平たく言えば感謝を忘れない年にしましょう。
・・・ちょっといい話だったでしょ?」
この後で、今年は「#政府は貨幣の発行者 を広めたい」という話、それなのに「政府はこの非常時に予算を前年度から減らすという愚」をやっている話、「財務省から国民主権を奪還せよ!!」(残念ながらこのイベントは能登半島地震の影響でいったん中止、リスケジュールとなりました)という話をしました。