令和の苦言愚言(29)【読書ノート】世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道(中野剛志・著)

「今年は来年よりいい年でしょう」という名言(迷言?)が印象的な著者の最新刊です。
世界はすでに戦時状態。2023年はますます暗く危険な年になる。

2008年リーマンショックで、すでにグローバリゼーションは終焉して終わっていた。なのに、この国はTPPだ、電力自由化だと浮かれていた。そし、ロシア・ウクライナ戦が続き、輸入物価が高騰し、必要な資源やエネルギーや食糧が危機的な今でも「グローバル万歳!」とやっている。
インフレーションには、デマンドプル型インフレ、コストプッシュ型インフレ(いま、これ)があるのに主流派経済学者はその違いさえ分かっていない。だから適切な対策が打てるわけがない。アメリカの利上げも間違いでありアメリカ自身にも他国にも有害。本の帯にあるとおり、だから「このインフレ、経済学者では手に負えない。」。
このインフレによって、世界は政治的危機の時代へ向かおうとしている。特に、中国の成長戦略の行き詰まりから東アジアで地政学的危機が勃発しようとしている。このようなときに「日本は最優先で何に取り組むべきか」・・・当然、あらゆる安全保障を強化しなくてはならない。なのに、「安全保障上の危機がここまで差し迫っているというに、ありもしない財政危機の方をより恐れているような連中が、一国の財政政策を左右しているという現実には絶望を禁じ得ない。」。激しく同意します。

税は財源ではなく、国債の発行(による支出)は貨幣の供給に過ぎないのに、それを理解できないのが「連中」。
STOP財源確保法、STOPインボイス制度、STOP防衛増税を達成し、そして消費税の廃止への道に進むことを強く望み、微力ながら活動します。これができたら、広く理解されたら、「日本が最優先で取り組むべき」安全保障確立へ向けて進めるのですから。(そうでなければ、この悲観的な著者の言うとおり、この国は実質的に「消滅」します。)。

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