投稿者: administrator

令和の苦言愚言(5)政府が国債を発行すると、家計の預金が増える!

5月の月例朝礼でこんな話をしました。
ネタ元は、以前取り上げたMMTの解説や三橋貴明氏のブログ動画なのですが、いわゆる主流派経済学者のご高説と比べても、どうみてもこちらの方が正しいとしか思えません。
下の図は三橋さんの作ったものです(著作権を主張しないというので使わせてもらいました)。

①政府が国債を発行して政府の日銀当座預金として、②民間からモノやサービスを購入し政府小切手で支払うと、③政府小切手を受け取った会社はその政府小切手を銀行に持ち込んで銀行預金口座に入金(記帳)してもらい、④政府小切手を受け取った銀行はそれを日銀に持ち込んで日銀当座預金としてもらう、その一方、③で銀行預金を増やした会社は、⑤その預金で従業員の給与を支払う(そのほか、下請代金や材料費の支払いなどにも充てる)。ついでに、銀行は④でもらった日銀当座預金でまた国債を引き受ける(①に戻る)。
・・・というわけです。

現在では、当社のように国(公共事業者)から業務委託を受けている際の支払いは、小切手ではなく政府の日銀口座(?)からの直接振込になっていますが、結果は同じこと。

「政府の支出(負債)は国民の預金(資産)を増やす。」

「政府は国債発行で国民の預金を借りている。いまは国民の預金が十分にあるが、国民が預金を取り崩すと、瞬時に借りるおカネが無くなり破綻する。」と言っているヒトがいるようですが、全く逆ということがわかります。
つまり、どんなに国債を発行しても、結果は国民(決して個人だけという話ではなく、広く民間という意味)の預金が増えていくので、逆転することはあり得ないということになります。
だから、(極端なインフレにならない限り)どんどん財政出動していいことになります。

「お前たちは公共事業を増やしてほしくて言っているんじゃないのか?」という反論も聞こえてきそうですが、お答えしましょう。
「その通りです!!!」(感嘆符三つ)。
実は先月から関東各県を回ってあいさつをする機会があり、平成という時代を振り返って、いかに「災害が多発し」「経済が停滞した」時代であったかというお話をしています。特に前者の災害については、平成30年間の主な自然災害でどれだけの国民の生命が失われたのかを足し合わせてみたら、なんと2万6千人以上(阪神淡路大震災で6437人、東日本大震災で15270人(行方不明・約8500人は含んでいません。含めたら3万5千人近くになります。)というふたつの国難が発生したことは大きいですが)。
愕然としました。
先ほどの反論をする人たちは、この数字を見ても「お前たちを儲けさせる防災事業なんか増やすもんか!」とでも言うのでしょうか?!
まして、諸外国が防災事業を含む公共投資をしっかりと行っていることで、経済成長しているという「事実」も見れば、社会資本整備の重要性・必要性は明らかです。もちろん、それ以外にも防衛や食糧安全保障や教育や技術研究等の投資も必要です。ちなみに「社会保障や教育無償化に消費税増税が必要」という話も、???(疑問符)三つですが、機会があればまた書きます。

私たち建設関連業者にちゃんと仕事をさせてもらえれば、こんなことにはなっていないはずです。(小声で)「当社が仕事できるか、儲けられるかはどうでもいいです!」。

話が逸れましたが、災害が多発している今、需要不足でデフレ状況の今、オカネの問題など特にないのですから、必要なところにちゃんと投資をする、令和の時代はそうなってほしいものです。

Categories: 日本のこと

イースタンリーグin第一カッター球場(秋津球場)に行ってきました

2019イースタンリーグの公式戦、千葉ロッテマリーンズvs東京ヤクルトスワローズが習志野市秋津の第一カッター球場(秋津球場)で開催されました。

両チームとも半分1軍メンバーですね。

福浦和也#9選手権コーチが試合前のセレモニアルピッチに登場、26年前の習志野高校野球部同期生とともにマウンドにあがりました。

ナラシドとともに宮本市長登場!ナイスピッチの始球式でした。

早く上がって来ーい!という面々。順番にブランドンくん、藤原くん、平沢くん、 バルガスくん。平沢くんとバルガスくんにはホームランが、藤原くんにもヒットが出ました。

福浦選手は6回ウラに代打で登場。勝ち越しタイムリーを放つ活躍(この回一気に10点!)でした。

Categories: 地域のこと

令和の苦言愚言(4)【読書ノート】インフラこそがイノベーションを導く最大の契機である

「インフラ・イノベーション 強くて豊かな国をつくる日本再生プロジェクト」藤井聡・著、育鵬社

平成30年9月26日、ちば測協の設立40周年記念県民講座にお招きした藤井聡先生の新刊です。
タイトルからはインフラをイノベーションすることを想像する方もいるかもしれませんが、内容は、実例をあげながらインフラによる国土のイノベーションの重要性を説いています。

実例は、河川、港湾、下水道、鉄道、エネルギー、水力発電、道の駅、砂防、街路、食、高速道路、基幹航路、空港と多岐にわたります。そしてそれらに基づく提言の根底には、デフレ脱却、経済成長、防災、(地方任せにしない)地方の活性化、エネルギーや食の安全保障など、氏がかねてより提唱し第2次安倍内閣で内閣参与を務めて推進し(ようとし)ていた「国土強靭化」の思想が流れています。(現在では、氏は内閣参与を辞して、政府の外から本著のような提言を積極的に行っています)

本著の中で、まず第一に、国が先導して、それにはもちろんしっかり財政出動して行う必要があると感じたのは、食料の安全保障です。安価だからという理由だけでいたずらに食料を外国に頼ることの危うさは、私のように楽観的な人間でも感じます。
氏は、いかなる国も国民の食糧の確保の重要性を認識している、そのため農業は半政府事業である、農業生産額に対する政府支出は英・仏では4割、スイス米では6割を超えているのに我が国は3割以下という実例を挙げて、食料自給率上昇に向けた戦略を提案しています。(ちなみにスイス・米は食料自給率120%超)

このように、ひとつひとつを見れば「なぜ反対するのかわからない」ほどの素晴らしい提案です。でも、それらの提案に対しては、緊縮財政の壁が立ちはだかっています。政治家も政府もマスコミも、いつか破綻する、これからは成長しない、結局自然災害は防げない、地方は衰退する、改革以外に道はない、グローバル化は避けられない、そんなワードが大好きです。
「あれもこれもはできない」とか言いながら「何もしない」。

それはともかく、先人たちはまさにインフラの力で国土をイノベーションして、安全な国土、便利な生活を私たちに残してくれました。本著で取り上げられいる、富山の砂防事業などはその顕著な例です。戦後復興とか、所得倍増とか、日本列島改造とか、国の方向性を明確に示してくれる政治家がいたことも確かですが、国民が一丸となって「豊かな国」をつくろうという気概がありました。だから行政=官僚にも(今より強い)信念があったと思います。
諦めては終わり、とはよく言われることですが、経済成長や強靭化は諦めてしまっているはなぜなのか。ありもしない財政問題を心配して消費税率はあげなきゃいけないと信じ込むのに、自然災害で同じ国民が亡くならないようにするという当たり前のことはスルーする。南海トラフという国難に対策して国民を守ると、財政破綻という亡国に至る、とか言った経済学者がいましたね。
それだけ洗脳が行き渡っているのかもしれません。

すべては「当たり前の話」なのです。
国とは「国土」と「国民」と「主権」とがあって成り立っている。
「国土」とはインフラそのものであり、「国民」と「主権」というスープラは、インフラのうえでしか存在しえない。
そしてインフラによるイノベーションはスープラによるイノベーションをもたらし無限に循環する。
特に、我が国のように自然災害が多発する「常に変化しようとする国土」は、その国土を保ち安定させる必要がある。
イノベーションとは新技術の導入=投入だけでなく、発想の転換も含む。

ちば測協第7回県民講座に登場いただいた、大石久和先生も、インフラ整備は「国土に働きかけ、国土から恵みを返してもらう行為」であると仰っています。その恵みは、私たちだけのものではなく、私たちの子孫のためのものだと思います。
とりとめない読書ノートになりましたが、藤井氏の本著からも「強くて豊かな国をつくるためには『思想』が必要である。」という思いが伝わってきます。

Categories: 日本のこと

令和の苦言愚見(3)グラフを作ってみた

池戸万作氏(日本経済復活の会幹事、薔薇マークキャンペーンの経済政策アナリストなど)の投稿記事「消費税10%なんてとんでもない MMTから消費税は不要な税金である」を読んでいたら、21世の日米の政府債務総額の比較グラフを紹介していました。この記事では、消費税増税でかえって税収が減っていること、アメリカの「クニノシャッキーン」について全く報道しないマスコミや(あえて?)比較しない政府のことを指摘していましたが、同感です。

で、グラフを眺めていて、これにGDPの伸びを重ねたらどうなるんだろうと思い作ったのが下のグラフです。名目GDP(USドル)を、米国を水色の折れ線で、日本をピンクの線で表示しましたが、プロット位置はだいたいのところです。ご了承下さい。正確なグラフを作っている方もいると思いますが。(なお、池戸氏作成のグラフのタイトルも変えています)

これ、どうみてもあれですよね。。。

Categories: 日本のこと

令和の苦言愚見(2)【読書ノート】支配者には自分たちの正当性を裏付けてくれる筋書きが必要

「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい 経済の話。」ヤニス・バルファキス・著、関美和・訳、ダイヤモンド社

一気読みです。これは面白い!

破綻したギリシャの元財務大臣が書いたこの本。プロローグでは「経済モデルが科学的になればなるほど、目の前にあるリアルな経済から離れていく」、エピローグでは「経済を学者にまかせるのは、中世の人が自分の命運を神学者や教会や異端審問官にまかせておいたのと同じだ」と。タイトルに書いたように「支配者には自分たちの正当性を裏付けてくれる筋書きが必要」であり、多くの経済学者や経済理論は、それを提供しているに過ぎないということです。
そのほかにも銀行は貸付するお金を「どこからともなく、魔法のようにパッと出す」とか、経済が破壊的な循環に陥ったとき「助けになるのはあの存在しかない。国家だ。」とか、ストンと落ちるものがあります。
日本とは違い、ユーロ建ての公債で破綻しそうになったギリシャでは、その助けは欧州中央銀行が行うべきはずなのに、何もしてくれなかったという恨みが見え隠れもしますが。(そういう意味で自国通貨建ての国債100%の我が国は、政府子会社の日銀が何もしないというあり得ない政策を実行しない限り、破綻などしようのないことは前回の記事に書いた通りです。)

そのほか、資本主義=市場社会の成り立ちや、労働力は資源ではあってもお金や原材料とは決定的に違うこと、機械やテクノロジーが人間にとって代わる未来は、それによる利益を独占しようとする勢力があることでバラ色が暗黒にもなること、などなど鋭い指摘が数多くあります。

あまり書きすぎると「ネタバレ」になりますので、これ以上はぜひ本書を読んでみてください。

Categories: 日本のこと