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令和の苦言愚言(28)【読書ノート】広重の浮世絵と地形で読み解く 江戸の秘密(竹村公太郎・著)

久しぶりの「苦言愚言」、下書きのまま放置してありました・・・(;^_^A

著者の竹村公太郎氏は、ずいぶん前の日本補償コンサルタント協会の総会講演会で講演を拝聴し、その後、千葉県測量設計業協会の県民講座に2回(リアルの会場方式とコロナ禍のWeb方式と)ご登壇いただいたご縁があります。

建設省(今の国土交通省)の河川局長等を歴任され、日本全国の地形を観、地形と共存、時には地形と戦い、ダムや堤防をはじめとする社会資本整備を進めてきた方です。その竹村氏が、広重の浮世絵から、江戸の地形が及ぼした影響により江戸時代の政治経済がどう動いていたか、庶民の生活はどうだったのかを極めてリアルに読み解いています。

日本列島という地形を与えられた私たちは、この国土のうえで、国民の生命財産を守り、安全安心を確保し、よりよい生活を営んでいかねばならない。そういう想いを改めて強くした一冊でした。

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令和の苦言愚言(26)11月の月例朝礼資料から

10月決算の当社では新しい期に入りました。
昭和47年(1972年)11月創立の当社は来年の11月に満50歳になります。これまでご愛顧いただいた皆様、活躍いただいた社員の皆様、業界団体や同業各社、協力会社などの関係各位にも厚く御礼申し上げます。

さて、11月の経済教室は「税金(徴税)とは」。以前に所得創出のプロセスで、税とは皆さんの所得から徴収されるものであり、それはブラックホールに投げ込むようなもの、と話をしました。
国税庁の子ども向けのページには、「税とは社会を支える会費のようなもの。わたしたちが納めた税金は・・・「みんなのために役立つ活動」や「社会での助け合いの活動」に・・・必要なたくさんのお金をみんなで出し合って負担するのが税金」とあります。
世界大百科の解説には、「国家ないし地方公共団体が,その活動に要する費用を租税として徴収することを徴税という。徴税を国民の側からみた場合には,これを納税という。」と解説されています。
これが普通でみんなそう信じ込んでいいますが、実は完全な間違いなのです。

皆から集めたお金で支出しているのではなく、支出が先で徴収が後ということを、森永康平さんが引用してくれた「モズラーの名刺の逸話」が端的に示しています。
では税金は何のためにあるのか?・・・「課税とはミッションなのですよ」というところまで話が行かなかったので次回に。

令和の苦言愚言(25)10月の月例朝礼資料から

今月の経済教室は「GDPとは」。
国内総生産、gross domestic productの略というところまでは知っている人も多いと思いますが、「一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額」と定義されています。
当然のことながら、国内の生産、所得、支出の3つの面から見たとき、その合計は一致します。これがGDP3面等価の原則です。
そんな話を、基礎編の1回目で用いた所得創出のプロセスという絵を使って話しました。
私たちは測量・補償コンサルタントというサービスを生産して、それを国・県・市町村に買ってもらって(支出)、得た所得を従業員の給料や外注先や設備や消耗品や水道光熱費や様々な業者に分配して、それは当然その方々の所得になるし・・・その合計は一致しますよね、と。
左下には、支出面のGDPの構成要素を表にしました。特に大きな割合を占めるのが「民間最終消費支出」と「政府最終消費支出」と「総固定資本形成」です。デフレで民間消費支出が不足するときに政府最終支出を削ったらどうなるか?総固定資本形成=企業の工場や設備やインフラも含みますが、公的資本形成=道路や防災等のインフラも含みます。
デフレ下で民間の投資が少ないなか、政府が投資を怠ったらどうなるでしょう?
その結果が右下の図で、日本だけが成長しないという馬鹿々々しい状況になっていますね。

令和の苦言愚言(24)9月の月例朝礼資料から

1回飛ばしましたが経済教室のおさらい2回目は、政府の債務である国債を「国のシャッキーン」と言っている人がいるけど、実は?という話でした。
借金ではなく政府負債残高。日米英、すべての国で政府債務総額は増え続けている。藤井聡先生のブログからお借りしたグラフですが、遡れる限りの日米英の負債残高。青線が名目、赤が実質(物価の変動や通貨の切り上げや切り下げを加味したもの)。
左軸を見てもらうと、単位は兆円、兆ドル、兆ポンド、グラフの刻みは指数的に増えている。
政府債務高とは貨幣発行の量。経済規模が大きくなれば貨幣を必要とする。逆を言えば、債務残高を減らすことは国内の貨幣の量を減らすこと。経済を縮めること。皆さんの手元にわたる貨幣の量が減ること。だから政府債務残高は減らしてはいけない、増え続けるべき。
という話をしました。

令和の苦言愚言(22)7月の月例朝礼資料から

今月の朝礼で使った資料の1枚。
おなじみ(?)三橋貴明さんの「所得創出のプロセス」を少し加工しました。新入社員も入ったので基礎編から復習しようという趣旨です。

私たちの会社は、補償コンサルタントや測量などのサービスを、国や県や市町村や民間業者に購入(支出)してもらって所得を得て(所得の分配というプロセスを経て社員の所得が生まれ)、次には、お客さんの側に回って、自動車やパソコンや事務用品等々の財を提供する事業者に支出して、その事業者がまたお客さん側に回って。。。国民の実体経済はこれがぐるぐる回ることで成り立っています。
このプロセスを経済学の専門家はなんというか?・・・「金は天下の回り物」

ここでこのプロセスを邪魔する厄介な(?)存在がある。税金を徴収する日本政府(笑)
一旦国民の側に供給した貨幣を、徴税という手段で取り上げてしまう。それをもう一度このプロセスに投入(財やサービスを購入)してくれればまだしも、徴収した税金で負債を返済してしまったら・・・ジュッ・・・「貨幣の消滅」なのですよという”事実”を話しました。