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令和の苦言愚言(21)6月の月例朝礼資料から

今月は労働分配率について話しました。
前段で、「菅内閣が最低賃金引き上げに意欲」というニュースと「全労連が最低賃金全国一律1500円必要」というニュースを取り上げたので、その流れでした。
前者のニュースはデフレ脱却もコロナ禍(における経済)対策も不十分なのに、全国一律で引きがるということは払えない中小企業潰れろと聞こえること、後者のニュースは25歳の若者が最低限の生活をするのには1500円が必要だということ。実は全く違う視点からの話です。

そのうえで、我が国の実態は、確かに大企業と中小企業の賃金水準は大きく乖離していますが、賃金水準が全く上昇していないことは大企業も中小企業も一緒です。
生産性を上げなくてはいけないことは間違いありません。ただし、これまでの生産性向上の取組は間違っていたと思います。国はデフレを放置し、競争至上主義のグローバル化を進め、企業は不採算部門を切り捨て、リストラという名の人切りをし、外注化や派遣を増やしてコストカットして・・・。
その結果「生産性上がりましたヽ(^o^)丿」。
それは違うでしょう。

そのうえで、労働分配率。付加価値に占める人件費の割合のことですね。
グラフで見るとおり、すでに80%を超えている中小企業の労働分配率を上げるのは至難の業に思えます。

自分のことは自分でやる、すべてが自己責任、そう刷り込まれてきましたが、国には政治には国民を豊かにする「力」があります。

結局、政治の出番。そして政治を動かすのは国民。
そんなことを話した今月でした。

令和の苦言愚言(20)【読書ノート】「国土学」が解き明かす日本の再興(大石久和・著)

今回取り上げる本は、『「国土学」が解き明かす日本の再興-紛争死史観と災害死史観の視点から』、国土学総合研究所長の大石久和先生の最新の著作です。
大石先生には、5月21日開催の(一社)日本補償コンサルタント協会関東支部の第45回通常総会でご講演をお願いしていましたが、東京都の緊急事態宣言が(個人的には宣言が必要かどうか疑問ですが)5月末時まで延長されたことから、急遽中止となりました。(総会自体は書面評決が多数ではありましたが予定通り開催しました。)

ネタバレになるのであまり詳しくは記しませんが、その中の一節から「日本国土にあるほとんどすべてのものは、日本人が長年にわたってつくり上げてきたものである。(中略)この国土を財政が厳しいからとか理屈をつけて荒廃させていくことはできない。先輩たちが貧しい時代に手入れをしてくれたこの国土を、寸土たりとも荒廃させることなく次の世代に引き継ぐ責任がわれわれにはある。荒廃させる自由などがわれわれ現代人にあるわけがない」(第1章から抜粋)
これは私たちがこの国土のうえで暮らしていくうえで常に考えておくべきことです。

ただ、この本の本質はそういう話ではなくて、日本という国は特異な国であるということ。
それは、日本人がどのような国土のうえでどのような経験をしてきたのかに関わっていると先生は述べています。特に、愛する者の死に直面した時の、極限の感情が大きく影響しているのではないか、と。
そのほか様々な視点から、島国日本とユーラシア大陸とでは、異なる「感覚」がある、とされています。
なかでも、「人為観」と大石先生は呼んでいますが、「自然が変えるのか」「人が変えるのか」の違いは大きいとしています。
だからと言って、変えられない政治、変わらない国民感情と、嘆いたり諦めていてはこの厳しい国際競争(貿易競争ではない)で生き残り、この国土のうえで豊かな生活、安全な生活を達成することはできない、気づいて、変えていくことが求められている、そんなことを感じた1冊でした。

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令和の苦言愚言(19)5月の月例朝礼資料から

5月の朝礼はGWの関係で10日になりました。資料は恒例の「今月の経済教室」からです。
このグラフを見て知ってほしい考えてほしい、ということで話をしました。
①の一点鎖線、日本がアメリカ並みに成長していたら・・クリーム色で着色した部分の国内総生産が失われた、その額累計でおよそ6000兆円(池戸万作氏試算)。生産の総額は所得の総額、これを一人当たりにしたら5000万円の得るべき所得をこの25年間で失ったことになります。しかもまだ中国の上を行っていたでしょう。国民として、誤った経済政策についてここは怒るところです。(これから先もさらに「失われた所得」は拡大していきます。)

実際の日米中のGDPの推移、中国は③の軌道をたどり2029年には中国がアメリカに追いつくという話があります。
バイデン政権もこの事態を受けて、当初は中国よりと言われていた新大統領でした、「習近平は専制主義者」と呼んで、今の状態では中国が覇権を取る、それを阻止するには国力をさらに増強する、そのための財政拡大を進め、普通でも④で成長するだろうが、これを④ダッシュにしようとしているように見えます。
そこでこの横ばいの我が国はどうする?という話です。このままでは②の線でアジアの小国になります。これを②ダッシュにしないといけない、無理!という話もありますが、年10%成長すれば8年で2倍にできます。

税収と歳出を比べて鰐の口がぁー、とやってる場合ではありません。中国との経済力の差が広がれば日本は中国に飲み込まれます。こっちの鰐の口の方が大問題です。

右上に赤で書いたのが正しい貨幣観になります。
「自国通貨を発行する主権国家はお金を使い果たすことがない」
「政府支出にはインフレ以外に制限はない」
「税金とは、政府の富の蓄積ではなく、貨幣の消滅」
「税金は財源ではなく、特定の政策を実現するためのツール(例:格差縮小)」
これは事実です。

あの田原総一朗が、国の借金のウソ、緊縮財政の間違いについて納得したという対談の記事が現代ビジネス(2021.5.2)にでていました。
その冒頭、藤井聡京都大学教授が言い放ったひと言「結論からいいますと、そいつら全員、馬鹿です!」(笑)。 

事実に気づかないのが「そいつら」、事実を認めないのが「そいつら」、一人当たり5000万円の所得を失わせたのが「そいつら」という話になります。
本当は「そいつら」が事実に基づいて正しい政治をすればいいので、「私ら」が心配することではないはずです。政治家や官僚や国の使命は「国民を幸せにすること」です。
それさえやってくれれば・・・。

令和の苦言愚言(18)4月の月例朝礼資料から

遅くなりましたが4月朝礼の資料から。
4月は新年度の始まり。当社にも3名(3月にも1名)の新しい仲間が加わりました。

そのような中で新入社員の紹介に続き話したのは、
・新組織について
・建設関連産業の役割(これは3月にも取り上げて前ブログでご紹介)
・今月の経済教室
でした。

ちょっとだけ、当社の新組織についてご紹介します。
1.営業本部、技術本部の本部体制としました。とても「本部」を名乗るほどの組織ではないだろうという客観的評価はあるかもしれませんが、これからその名に相応しい組織になっていきたいと考えています。
2.営業本部には各支店が属し一体となった営業展開を進めてまいります。
3.技術本部には補償コンサルタント担当と測量調査担当の部長を置き、補償コンサルタントには第一から第三の課長を、測量には第一から第二の課長を配して、総合連携をしながら業務ごとに責任者を指名して実施してまいります。

本日ご紹介する資料は「経済教室」で使用したものです。

相も変わらず何も考えないマスコミは「国のシャッキーン」「将来へのツケが」とどこぞの大本営発表をそのまま垂れ流していますが、「実は、政府の債務は借金ではない」ことと「実は政府が債務を増やすと国民の預金が増える」ことを話しました。
前者は、明治期から今までの政府債務の残高をみると3700万倍を超えます。つまり誰も返済していない。景気と税収の動きで増減はあっても基本的に返してはいない。返す必要のないものがなぜ借金なのか?!という話です。
後者は、当社の関わる社会資本整備に関する支出を政府が行うとどうなるのか、三橋貴明氏の図を借用して説明しました。端的に言えば、政府が1千億円の国債を発行して橋梁を作ったら、企業・従業員の預金が1千億円増えた上に国民共通の財産である1千億円相当の橋梁が残る。一体、国債発行の何がいけないの?という話です。

以上をまとめると、「国債は貨幣発行なのだから減らされてたまるか!」となります。
(景気がそこそこ良くて、民間銀行における貨幣創造がされて国民の間を巡っているときは自然に減っていくのはこの限りではありません。)

令和の苦言愚言(17)3月の月例朝礼資料から

3月に入って暖かい日も多くなりましたが、花粉も飛び出しました。
当社では、今月から新しい仲間が二人増えました。
そんな中で話したのは、当社の関わる社会資本整備に関して「インフラとは」ということ、コロナコロナと騒いでいるが実は年間死亡者は11年ぶりに減少している話、東京都の重症者病床が2月18日に500→1000床にいきなり増えて占用率が86→33%に減って「緊急事態宣言って何だったの?」ということ、最後に下のスライドを使って次のような話をさせてもらいました。

  • 今年のマリーンズは二人の佐々木に注目!ひとりは佐々木朗希、もうひとりは復活をかける佐々木千隼
  • 東日本大震災発生後に当社がかかわってきた業務について
  • 国会におかる安藤裕衆議院議員と日銀とのやり取り・・・「国債発行すると国民の預金が増える」「増税で回収すると国民側にある通貨が消滅する」こと
  • パウエルFRB議長の「主流派経済学は時代遅れであり、忘れるべき」という発言